暮らしを豊かに彩ってくれる趣味・お気に入りのことあれこれ…そして思うこと

文字を覚える前の豊かな時間は二度と手に入らない貴重なもの

長男と次男は、文字への興味の持ち方が対照的でした。

長男は2歳になるかならないかの頃から、文字というものの存在を意識していたようです。
『これはなんて読むの?』『なんて書いてあるの?』とまだよく回らない口で尋ねてくる子でした。
本人が興味を持っているのだから…と尋ねられるがままに答えているうちに、平仮名が読めるようになり、そのうち見よう見まねで書くようにもなりました。
当時、私の実家へは新幹線で帰省していましたので、家には時刻表がいつも置いてありました。男の子あるあるで電車大好きだった長男は、『ひかり』『こだま』『のぞみ』『100系』『300系』…などを覚えていくのと同時に、駅の名まえも覚えていったのですね。そして、時刻表に書いてある漢字が駅の名まえだと知ると、一筆書きのように真似をして書いたりしながらいつの間にか読める漢字が増えていったのです。

ですから、絵本を読み聞かせてもらうのも大好きでしたけれど、自分でもどんどん読み、2歳下の次男に読んでくれたりもしていました。

それに対して次男は、文字には全くと言っていいほど興味を示しませんでした。
同じように電車大好きだったのですけれど、こちらは写真を見て新幹線の絵を描く方向へ関心が向いていたのです。
通っていた幼稚園では、図書室の本を借りるときに各自が持っている貸出カードに本のタイトルを書くことになっていました。自分で書いても親が書いてもよいものでしたけれど、年長さんくらいになるとほとんどのお子さんが自分で書くのですね。たどたどしい字だったり、かなり上手だったりと個人差はあるにしても…。でも次男は全然書く気がなくて。
『〇〇くんは、字が書けなくても読めなくてもいいんだ~!』とケラケラ笑っている子でした。
女の子などはもっと小さい頃からお手紙のやりとりなどしてみたりしますよね? まぁ、エラい差です…。

文字は早く読めたほうがいいのかな

それでも、実は私も全く焦ってはいなくて。
…と言いますのも、長男が持っていなかった世界を次男は持っているということに気がついていたからでした。

絵本を開き、描かれている絵を見ながら自分でお話を作っていくのです。よく聞いていると、前後のページの内容とは全然つながっていなかったりもするのですけれど、でも絵を見ながらいろいろなことを思い浮かべて言葉にしていく様子は、見ていて楽しいものでした。同じ本を読み聞かせてもらうと、全く違うお話だったりもするわけで、それもまた楽しんでいるように見えました。
何度も何度も読んでもらったお気に入りの本はもう覚えてしまっていますので、さも読んでいるかのようにページをめくっていくのですけれど、字が読めているわけではなく、時々アドリブでセリフが加わったりもしていました。

文字から入ってくる情報というのは強力なものだと思います。絵本なども、先に文字を読んでしまうともうそれ以外のストーリーはなかなか思いつきません。空想力が働きにくくなります。
こうした空想力って、幼い子どもたちにはとても大切なものなのではないかと思うのです。豊かな感性、細かなところに目をつける観察力、思いついたことを言葉にする表現力、柔軟な発想などにもつながっていくものだと思います。

一度字を読めるようになってしまうと、もう読めなかった頃には戻れないのですよね。
子どもがいろいろなことをできるようになるのは嬉しいことです。でも、文字が読めないからこその豊かな時間を大切にして、ゆったりと楽しむのもまた乙なものかもしれません。

ゆっくり賢くなればいい

焦って文字を覚えさせることはない…と今でも思います。
自由に空想の世界で遊べる貴重な時間をたっぷり取ってからでも遅くはないと。年齢や成長に見合った興味・関心をじっくり伸ばし、ゆっくり賢くなっていくのを見守っていくことも必要なのではないでしょうか。

それぞれのその後

文字を早く覚え、書きたがった長男に対しては、鉛筆の持ち方が正しいかどうかだけはチェックしていました。後から矯正するのは大変だからです。すべて我流で覚えてしまった文字でしたので、書き順などがどうなっていくかと多少心配していましたけれど、これは意外と問題なく正しい書き順に修正することができました。特に漢字などは、イメージというか絵のようなものとして覚えていただけだったのかもしれませんね。
文字や言葉への関心はずっと続き、辞書を愛読するようなタイプでしたけれど、最終的な進路は理系です。

次男は『自分の名まえを平仮名で書き、読める』という状態で小学生になりました。ある意味驚異的!?
ただ学校で平仮名を教わるようになると、文字への興味が芽生えたようでした。漢字や書道も好きになり、漢検にもどんどんチャレンジしていくようになりました。得意分野は日本史や国語という、文字が不可欠な世界です。

文字を覚えるのが他のお子さんよりほんの少し早かったり、ほんの少し遅かったりなんて、本当にたいしたことはないのだなぁと思います。
電車の中で小さなお嬢さんに平仮名を教え込もうと躍起になっていたおかあさん、ゆっくりで大丈夫ですよって言いたかったのですけれど…。

 

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