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卒業までにやり残したことがないように

長男は28歳。
今春ようやく大学を卒業して就職します。
必要な論文などを出し終えて卒業を待つ立場となった今、改めて実験や研究に燃えています。
早朝から深夜まで、研究室詣での日々…とてもあと2ヶ月で卒業する人には見えません。

大学には10年間通いました。
学部に4年、修士課程に2年、後期博士課程に4年…です。
本当に長かった…。

学部の4年生から所属した研究室はとてもハードなところでした。
研究の内容的にも拘束時間が長くなってしまうのはやむを得ないようで、この7年間、長期休暇とは無縁の生活を送っています。
それどころか、週末すらほとんど休んでいないのではないでしょうか。
帰宅できない日も多く、帰れたとしても終電かそれに近い時間になることがほとんど。
それでいて、朝出かける時間も早くて…。
せめて栄養バランスのいい食事を摂らせたいと思っても、家にいる時間が極端に短いのですからそれも難しいことでした。
食事の用意をしてあることが長男の負担となっているように見える時期もあり、現在は本人が《要る》と言った日だけ用意するということで落ち着いています。
これも、いろいろ話し合い、あれこれ試行錯誤して出した方法だったのです。

身体を壊すのではないか、精神的に追い込まれるのではないかと気をもんだ日々もありました。
好きなことをしているはず、体力もあるはずの長男でしたけれど、笑顔が少なくなり、疲れ果てているとしか思えないような時期もありました。
こういう生活に私が慣れるのに、とても長い時間が必要でしたし、家族にとってもあまり楽しくない時期だったと思います。

幸いなことに最後の3年間は大学の助手(非常勤)という役職を与えていただき、お給料をいただける立場となりました。
これには本人はもとより、親である私たちもどれだけ救われたことかわかりません。
電車で帰宅できなくてもタクシーで…、帰れないまでも研究室近くのカプセルホテルで朝まで眠る…など少しは楽に過ごす工夫をできるようになりましたから。
食事も3食ほとんどを自宅外で摂る生活でしたから、とにかくお金もかかります。
親の私たちの援助だけでは、とても追いつかないことでした。
実験や授業のスケジュールや論文の読み込み、18時から22時過ぎまでかかるゼミの時間…などを考えると、一般的なアルバイトをできる状態ではありません。
先生から紹介していただく他大の実験助手などのアルバイトはありましたけれど、これだけではとても生活するのに必要な金額をまかなうことはできません。

もちろん、大学の職員となるわけですから、学部生さんの実験実習や宿泊を伴う実習、入試業務、オープンキャンパスなどのお仕事もいろいろとあります。
最初のうちは時間のやりくりに苦労しているようでしたけれど、慣れていくに従って段取りや下準備が上手になっていき、精神的な余裕も出てきました。
徐々にタフに頼もしくなっていくのを見るのは、嬉しくもあり安心でもありました。

昨日も終電で帰宅し、今朝は6時半に出かけていった長男。
『卒業も間近なのに忙しいのね?』と聞くと、こう言いました。
『卒業が間近だからこそだよ。卒業までにやり残したことがないように…ね!』
必要な実験をあらかた終えた今、やってみたい実験がまだあるのだそうです。
読んでおきたい論文もまだあるのだそうです。

助手という仕事もありますので、入試業務や卒業式での役割はまだ残っています。
3月末まではその任務も果たさなくてはいけないのですね。
ですから、春までのんびり…はないのだろうと思ってはいましたけれど、まさか今までと同じように実験&研究の日々が続くとは思っていませんでした。
まぁ、彼らしいといえば彼らしい過ごし方です。
とにかく実験が好きで好きで仕方ないらしいので…ね。

子どもの頃から大好きだった分野の勉強を10年間も続けることができて、しかもお給料やそれとは別の研究費までいただいて学ぶことができて。
これはとても幸せなことだったと思います。
そういう生活を送ることができた環境と、支えてくださった全ての方への感謝の気持ちを忘れずにこれからの人生を歩んでほしいと願っています。
まずは10年間の大学生活の集大成として、研究室ライフを全うしてくださいな!

でもね、春になって新しい生活を始めたら、余暇の時間を楽しむことも大切にしてほしい。
今までとはちょっと違う分野にも目を向けて、人としての幅を広げられたらいいね!とも思います。

卒業までにやり残したことがないように…がんばれ!



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