10月27日は読書の日。
読書週間の1日目ということで決まった日のようですね。
子どもの頃から本を読むことが好きでした。
小学校3年生まで暮らしていたのは、西日本の小さな街。近所に大きな書店などはありませんでした。『本を選んで買う』ということをしたければ、数キロ離れたJR(当時は国鉄…ですね)の駅近くにある商店街まで出かけていくか、さらに足を延ばして県庁所在地まで電車に乗って出向くか…しかなかったのです。ネット書店など想像することすらできなかった昔のことですね。
娘によい本をたくさん読ませたくて、読書の楽しみを知ってほしくて、母は新聞広告や書評などを真剣に読んでは児童書を近所の小さな書店に注文して入手してくれました。絵本も『字の本』もとてもたくさん持っていたことを覚えています。小学校に入ると学校の図書室から本を借りることが習慣になり、毎日のように借りて帰っていました。
高校受験や大学受験で忙しかった時期でも、就寝前のわずかな読書タイムは一日の慌ただしさをリセットする大切な時間だったように思います。
私自身が母親になってからは、息子たちに多くの本を与えてきました。そう、私の母が私にしてくれたのと同じように。
幸いなことに我が家周辺には徒歩で行ける区立図書館が3つあります。一人15冊まで2週間、貸し出ししてくれますので、息子たちが幼い頃は2週間に一度の図書館通いが習慣でした。大人は2週間で15冊も読めませんので、自分が借りたい本を選んだ残りは息子たちの本を。歩くと15分くらいかかる距離でしたので、とても重いです。それでもできるだけ歩いて行くことにしていました。手をつないでたわいもないおしゃべりをしながら歩く時間は、とてもゆったりと流れていくのです。横に並んで歩くと、突然「あのね…」と言いづらそうに話を始めることもありました。向き合っては言いにくいことやこっそり話したいことを聞かせてくれたりもしたのですね。
多くの方がそうだろうと思うのですけれど、寝る前には一緒にお布団に入って本を読み聞かせて。もっともっと!という息子たちに、続きは明日ね!と電気を消したことも懐かしい思い出です。『かわいそうなぞう』などは、読んでいる私が泣いてしまって、息子たちはお話が悲しくて泣いているのか私が泣いているからつられて泣いているのか、わからなかったりもしたものです。
大きな書店がさほど遠くないところにあり、ネット書店もある今の時代は私にとってはとても幸せです。世の中にはこんなにたくさんの本があるのに、自分が読めるのはほんの一握り…と考えると、ちょっと悔しかったりもするのですけれど。
我が家には現在3000冊以上の本があります。これは夫と私が管理している本の数で、息子たちはそれぞれ自室に本棚を持っていますので、蔵書数はもっと多くなります。コミックなどを含めるとさらに増えますね。ここ数年、少し本を減らそうと整理しています。でもこれがなかなか…。手に取ってしまうと、もう一度読もうかな?となってしまうのですよね。新しく購入することはできるだけ控えて、図書館を利用しよう!と考えていても、やはり欲しい本は欲しかったりして。それならせめて電子書籍で!などあれこれ策を練ってはみるものの、減っては増えての蔵書たちです。
改めて言うまでもないことですけれど、本は多くの知識を与えてくれますし、知らない世界へ連れて行ってもくれます。偏った考え方をたしなめてくれることもありますし、弱った心に寄り添って慰めてくれることもあります。
読書を楽しむ習慣を持っていることは、私たち家族にとっては財産だなぁとつくづく思うのです。
さて。
読書週間ということで。とりわけ今日は読書の日ということで。
いつもよりちょっと長く読書の時間を取ってみようかな。