七十二候 『霎時施』
10月28日から11月1日頃までは、七十二候では『霎時施(こさめときどきふる)』。
2019年は10月29日からとなっています。
七十二候のうちの第五十三候、二十四節気『霜降』の次候となります。
《小雨がぱらぱらと降り始める時期》という意味で、しとしとと降り続くような雨ではなく、すぐ止むような小雨が降る頃です。
ぱらついていた雨が止んだかと思うと、さっと青空が広がったりする時期ですね。
『霎』という漢字は、小雨がぱらぱら降るような音を表しています。
明治時代の略本暦では『霎』を《こさめ》と読ませていますけれど、江戸時代の宝暦暦などでは《しぐれ》と読ませているようです。
時雨
『時雨(しぐれ)』とは、晩秋から初冬にかけて降ったり止んだりする通り雨のことをいい、歳時記では冬の季語となっています。
『初時雨』は、人々や動物たちにそろそろ冬支度を始めなさいという自然界からの合図とされているとのこと、感性を研ぎ澄ませて自然界からの声に耳を傾け、目を凝らしていなくてはなりませんね。
『ひと雨一度』という言葉があります。
《ひと雨ごとに気温が一度下がる》というような意味で、今の時期はそうしてどんどん気温が下がっていきます。
冬ももう間近ということですね。
『時雨』といえば、『蝉時雨』という表現がありますよね。
蝉の鳴き声を時雨の音に例えたものですけれど、季節の合わないもの同士を組み合わせているところがおもしろいと思いました。
八入の雨
この時期の雨には『八入の雨(やしおのあめ)』という表現もあります。
《一入(ひとしお)》は、布を染色する際に一度だけ染料に浸すことを言います。
《八》は数の多いことを表し、《八入(やしお)》は何度も染料に浸して濃く染め上げることを言うのですね。
このことから、雨が降るたびに木々の葉を色濃く染めていくこの時期の小雨の様子を表しています。
風流というか、すてきな表現の仕方ですね。
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今日の東京は、朝からずっと雨が降り続いています。
天気予報ではまとまった雨にはならないようなことを言っていましたけれど、結構なざーざー降りなのですよ。
そして、とっても寒いです。
この降り方は《時雨》とは言えませんね。
《ひと雨一度》は、なるほど!と納得です。
10月は雨ばかりだった印象です。
明日からは晴れるという予報に期待したいものです♪