七十二候 『鶺鴒鳴』
9月12日から16日頃までは、七十二候では『鶺鴒鳴(せきれいなく)』。
七十二候のうちの第四十四候、二十四節気『白露』の次候となります。
《鶺鴒が鳴き始める時期》という意味です。
鶺鴒はスズメ科セキレイ目の鳥の総称で、《チチッ》とか《チチチ》などという鳴き声を響き渡らせます。
古くから日本にいる身近な鳥で、水辺を好みますけれど、街中でも多く見かけます。
鶺鴒の種類
日本でよく見かけるのは、背中の黒とお腹の白のコントラストがはっきりした(ペンギンみたいですね)セグロセキレイ、薄いグレーのハクセキレイ、黄色いお腹が美しいキセキレイです。



元来日本に多く生息していたのはセグロセキレイだったのですけれど、近年最もよく見かけられるのはハクセキレイです。
ハクセキレイは以前は寒くなると本州以南へやってくる鳥でした。
鶺鴒は長い尾をピンと伸ばしてしきりに上下に動かすことから、『イシタタキ(石叩き)』『ニワタタキ(庭叩き)』『イワタタキ(岩叩き)』とも呼ばれています。
日本書紀と鶺鴒
鶺鴒については、『日本書紀』にも記述があります。
それによると、《伊邪那岐(いざなぎ)》と《伊耶那美(いざなみ)》の神は、鶺鴒が首や尾を振るのを見て結ばれたということです。
このことから、鶺鴒は『恋教え鳥』『恋知り鳥』『嫁ぎ教え鳥』などと呼ばれるようになりました。
鶺鴒は、それほど昔から日本人にとってなじみの深い鳥だったのですね。
色無き風
秋風のことを《色無き風》と呼ぶことがあります。
中国から伝わった五行説によると、秋の色は白。
日本人はそれを《色無き》に言い換えたのです。
本来は、華やかさがないという意で、しみわたるような寂寥感をいったもののようです。
透明感も感じられる表現ですね。
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《チチチチッ》という鳴き声は、確かに聞いたことがあると思います。
でも姿を探しても、どの鳥が鳴いているのかあまりよくわかりませんでした。
今回、鶺鴒の写真を探してみて、セグロセキレイとハクセキレイは見たことがあるような気がしています。
尾を上下に振って歩くという姿には覚えがありますので、多分間違いないでしょう。
キセキレイは一度見てみたいな~と思います。
黄色というか、レモンイエローに近いお腹の色、美しいですよね。
暦の上では、秋も半ばです。
まだまだ暑い現実を見ると、にわかには信じがたいですけれど。
それでも朝晩や日陰でふと涼しさを感じることもありますね。
本格的な秋がやってくるのも、もう間もなくのことでしょう。

七十二候(しちじゅうにこう)
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